Locus ~stories ~

主にありふれたシチュエーションをモノローグみたいな感じの書いてるポエムです。

このケダモノ!

今日から親の親友の子をあたしの家で預かる事になったらしい。
どうやら、その子の祖父母のどちらかが入院する事になって、その世話もあるけど先が不安だから祖父母と同居する事になったみたい。
ただ、その子は卒業も近いからそれまでの間みたいだけど。

あたしの幼い頃は一緒に遊んでいた子供だから、その子の事はあたしも覚えている。でも小学校に入る前に引っ越していったから10年近く逢ってはないけど、きっと可愛らしい女の子が綺麗な女の子になっているのだろうな。

あたしの親がその子の荷物と一緒に迎えに行って帰って来るまでの間にその子が使う空き部屋を掃除し終えて、汗をかいたらから、シャワーを浴びていると脱衣場から物音がしたので、ちょっとだけ待っててと言うよりも早く見知らぬ顔を男の子が風呂場の扉を開かれてあたしの一糸纏わぬ姿を見られてしまった。

雄叫びに近い大声をだしたあたしに驚いてい親が来たから、痴漢が居ると言うと親は今日から親友の子を預かる事になったって言ったでしょって軽くあしらった。

あたしは大きく思い違いをしてたみたいだ。女の子みたいな名前で子供の頃の雰囲気も女の子ぽかったから女の子だと思い込んでたみたいだ。

あたしは親に抗議をしても、このケダモノと同居するのに変更は無いし、あなたも納得してたのだからと逆に丸め込まれた。

風呂場であたしの裸体を見てしまった事は服を着た後に土下座して謝罪したし、あたしも親だと勘違いしたのと親が仲裁にはいったから、その事は大目にみて許したけど、人畜無害な顔をしてるとは言え、このケダモノとの同居は不安が付きまとう。

なにせ、あたしん家はママとの女だけの二人暮らしだったのだもの。
呑気なママは男の子が居れば何かと安心よねって言うけど、数ヶ月とは言えど同じ年頃のケダモノと暮らす羽目になってしまったあたしの身の安全を少しは心配して欲しいと心から思う。

このケダモノから我が身を守らなくてはならない日々が始まるかと思うと気が重くなってきた。