恋への道程。その3

おにいちゃんの事を考えていたら、授業も上の空になっちゃって先生に怒られちゃったよ。

お陰で先生から宿題をあたしだけ増やされたけど、全く解らない所ばかりだよ。
あっ、そうだ。
おにいちゃんの教室に行って教えてもらおうかな？

そういえば、上級生の教室に行くなんて初めてだな。
やっぱ、ちょっと緊張するよ。
確かここがおにいちゃんのクラスの教室の筈だけど、どうやっておにいちゃんを呼び出したらいいのかな？

あっ、おにいちゃんが居た。
恥ずかしいけど、呼んだら来てくれかな？
おにいちゃん、女の子とあんなに楽しそうに話してる。
やっぱり、あたしの出る幕なんて無いのかな？
うん、そうだよね。 いくら子供の頃は仲が良くたって、もう子供の頃とは違うものね。

だから、あの時に何の返事もなかったんだ。
もし、あの女の人がおにいちゃんの彼女だとしたら、あたしにおにいちゃんなんてあまり呼んで貰いたくないだろうな。

せめて、妹みたいぐらいには思っていててくれてないかな？
そうでないと、あたし寂しいもの。