Locus ~stories ~

主にありふれたシチュエーションをモノローグみたいな感じの書いてるポエムです。

初めての…。

アタシだってキスしたコトぐらいあるもん。
アンタは無いでしょうけど。

アイツに言われて、つい見栄はってそう言っちゃったけど、アタシもしたことはないの。

でも、言っちゃったからにはキスしないとダメだよね。
そう心で言ってから、アイツとファーストキスをした。

アタシが初めてじゃないのが丸わかりするような歯が衝突したようなキスだった。

アイツは口を押さえながら、なんだやっぱり初めてなんじゃないかと言うと、アタシは開き直って、そうよ悪いって言った。

そしたら、アタシはアタシの頬に片手を頬に添えながら、空いた片手をアゴにあててアタシの顔を上へと上げて、手慣れた感じで優しくキスをしてくる。

アイツとのキスはアタシが時間さえ忘れさせそうな蕩けるような甘くて優しいキス。

唇を離したあと、蕩けた顔をしてるアタシはアタシにアンタって初めてじゃないんだと言うと、アイツは初めてだと言った。
何でそんなにも手慣れた感じで出来たのよと聞くと、アイツは恥ずかしそうな顔をしながら、アタシとのキスをずっと妄想して繰り返していたと言う。

アタシは真っ赤な顔をしながら、アイツの首に手を回してキスをし返す。
今度は正面衝突じゃない、アタシがアイツとのキスをずっと妄想して繰り返してきたシチェーションのキスを。