ある海辺にて。
ううん、何も言ってないよ。
キミの気のせいじゃないかな?
せっかくの海なのに一緒に居る相手があたしなんかで申し訳ないなぁ。
あっ、褒めてくれてありがとう。
あたしなんかの水着姿なんて見ても、色気も無いから変にキミに気を使わせてしまって悪いことさせちゃったかな?
キミも他の子達と遊びに行っても良いよ。
あたしが荷物とかを見てっからさぁ。
心配してくれなくてもあたしみたい女の子をナンパするような男なんて居やしないよ。
ホントに悪いね。
気を使わせてばかりでさぁ。
その、こんな時に聞くのもなんだけど、キミって好きな娘って居たりするのかな?
ううん、そんなんじゃなくて今日一緒に来てる女の子とかの中に居たりするのかなって思っただけだから。
そっか、やっぱり気になってる娘が来てるから来たんだ。
だったら、尚更その娘と仲良くなれるチャンスなのにどうしてあたしと一緒に荷物番なんかしてんの?
なんだ、その娘とはもう一緒に居て楽しんでるんだ。
ちょっと待ってね。
ずっとあたしと一緒に荷物番してるだけじゃない。
あの、それじゃキミの好きな娘ってもしかしてかな?
えっと、キミは喉が渇いてない?
ちょっと飲み物買って来るね。
キミは何か良いかな?
あたしはそう言うと嬉しさと恥ずかしさのあまり、走っていった。
照りつける太陽の暑さよりも、あたしの中から発する熱で身体が火照ってるいるのが分かるぐらいに熱くなっていた。